ERAS 〜山形県立中央病院での研修〜

ERASをご存じでしょうか。Enhanced Recovery After Surgeryの略です。
亀田総合病院から、医師2名、看護師4名、理学療法士1名のメンバーで山形県立中央病院にて研修しました。

ご協力頂いた患者さんは前立腺全摘2例、午前中2例施行され、術後モニターはなく、夕方にはリハビリ開始しました。

手術4時間後にベッドに座り血圧測定、その後立ち上がり、足踏み、病棟を一周し病室へ。自らベッドをギャッチアップ。寝た状態より座っていた方が楽な様子でした。小さなお孫さんが見守る中、患者さんも術後に歩行できたことで笑顔、少し驚かれている様子。ご家族もしっかりした足取りを確認し、安心されていました。食事も本人の希望で摂取可能。

次の日でも変わらないのではと考えられる方もいらっしゃるかも知れませんが、直感的に術後4時間で歩くことの意味を悟りました。術後4時間で座れ、歩行することで自信にもなりますし、その後のストレスが最小限に抑えられ、よく眠ることができます。逆に24時間ベッド上でモニターに繋がれ、フットポンプで何度も締め上げられ。血圧を頻回に測られ・・・。術後にさらにストレスがかかっていた事に気づかされます。この手術を含めた24時間のストレスの後、すぐに歩けるかと考えると答えはNoだと思います。

ERASは事務的な看護業務を減らしてくれます。ベッド上で腰は痛くなるし、眠れないためナースコール、点滴の交換、バイタルチェックなどなど。
当院スタッフも目から鱗だったようで、非常に刺激になった研修でした。沼畑先生を始め、スタッフの皆様本当にありがとうございました。
当院でもERASを導入し良い医療を積み重ねていきたいと思います!

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このサイトの監修者

亀田総合病院
泌尿器科部長 安倍 弘和

【専門分野】
泌尿器疾患一般 腹腔鏡下手術