安房医師会学術講演会 「ハンズオン・エコーセミナー」

前立腺肥大症の一般的な診断、治療についてお話ししました。
エコーで前立腺容量、残尿測定など手軽に計測できること。
エコー画像から、前立腺肥大症の重症度が推察できることがあり、重症症例を逃さないためにエコー検査のポイントを3点あげました。

  1. 膀胱に突出するタイプの前立腺は排尿障害が強い傾向にある
  2. 膀胱壁の肥厚(エコーで明らかに膀胱壁とわかる)があれば、排尿筋の肥大が疑われる
  3. 膀胱憩室・膀胱結石などもエコーでみつけることができ、排尿障害が伴うケースが多い

実際に、会場でエコーをあてデモストレーションしました。肝臓、胆嚢、膵臓、大動脈、脾臓、腎臓、膀胱の順にスクリーニングを行い。前立腺、膀胱容量などを計測しました。まったくエコーを触ったことがない先生から、エキスパートまでいらっしゃり、おもしろい企画でした。

安倍が研修医だった頃、エコーが上手くなりたくて、エコー検査室をローテーションし、ひたすらエコーをあてていた若かりし日を思い出しました。その頃は心臓エコー(EFや逆流など)も診断できるようになりました。もちろん素人範囲です。

エコーは視る聴診器とも言われ、様々な臓器の診断はさることながら治療経過や手術の補助的な役割を担います。
エコーを実施されていない施設も多いのだと言うことを知る機会になりました。医師、検査技師がエコーを実施するのが一般的ですが、開業されているクリニックなどでは看護師が実施していくのも、有益ではないかと考えられます。あらゆるシーンでエコーを上手く使いこなし診断、治療などに役立てて頂きたいと思いました。

こうしたハンズオン・エコーセミナーを若手医師や技師、看護師へ行うのも患者さんへの福音となるのではないでしょうか。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
泌尿器科部長 安倍 弘和

【専門分野】
泌尿器疾患一般 腹腔鏡下手術