「バクロフェン持続髄注療法」のご紹介

脳卒中や脊髄障害でよく見られる後遺症の一つに「痙縮(けいしゅく)」があります。痙縮では、意思とは関係なく筋肉の緊張が高まり、手や足が勝手につっぱったり曲がったりする状態になります。
適度な痙縮は歩行の際の支持性を高めるため、部分的には有利に働くこともあります。しかし、痙縮が高度になると、運動機能の回復が妨げられたり、手足が曲がったまま伸びにくい、体幹の締め付け感が強いなど、日常生活に支障が生じてきます。
痙縮に対しても、薬物治療、ブロック療法、理学療法などが行われています。薬物治療は対症療法の基本ですが、飲み薬としては緊張している筋肉をゆるめる薬を、そして注射薬(ボツリヌス療法)では筋肉を緊張させている神経の働きを抑える薬を用います。
このような治療でも痙縮が納まらない場合には、バクロフェン持続髄注療法(ITB療法)が選択されることがあります。ITB療法ではバクロフェンという、痙縮をやわらげる薬の入ったポンプを体内に埋め込み、カテーテルを通して持続的に脊髄のくも膜下腔に直接薬液を注入します。プログラマにより埋め込んだポンプを操作し、患者さまの状態に合わせて投与量を調節します。

「バクロフェン持続髄注療法」は小原亘太郎先生、上利 崇先生(非常勤)が担当しています。
ご相談がある方は、下記の外来をご予約下さい。

亀田クリニック (鴨川市) 脊椎脊髄外科外来
担当 小原亘太郎: 火曜日 9:00~11:30、 木曜日 13:00~15:30

亀田総合病院 京橋クリニック (東京) 脊椎脊髄外科外来
担当 上利 崇 : 第2土曜日 14:00~17:00
担当 小原亘太郎: 第4土曜日 14:00~17:00

このサイトの監修者

亀田総合病院
脊椎脊髄外科部長 久保田 基夫

【専門分野】
脊椎脊髄疾患、末梢神経疾患の外科治療