鴨川市COPDフォーラムを開催 〜千田一嘉先生 特別講演〜

2017年12月4日に亀田総合病院 K棟13階 ホライゾンホールにて、国立長寿医療研究センター 呼吸器科 千田一嘉先生にお越し頂き、鴨川市COPDフォーラムを開催しました。

特別講演として、千田先生より「老年医学で支えるフレイルCOPD患者の統合ケア Integrated Care」をお話し頂き、主任部長 青島正大が座長を務めました。

今回の講演は、昨年4月の日本呼吸器学会学術講演会のシンポジウム「超高齢社会の地域医療:フレイルと呼吸器疾患」の司会を青島が務めた際、シンポジストであった千田先生の講演が素晴らしかったので、「ぜひ亀田で講演を」とお願いし実現しました。

千田先生は、「老年医学の原則は、高齢者総合的機能評価と多職種共同で、患者さんを支えることである。COPDは慢性全身性炎症を起こし、サルコペニア(筋肉量減少)、骨粗鬆症、心疾患など併存疾患をきたす。大腿四頭筋力と身体活動性がCOPDの予後予測に重要である。フレイルの統合ケアには、良質な栄養と運動が大切である。人間中心の医療・ケアとして、アドバンス・ケア・プランニングが重要である。」という内容を述べられました。

会場より「COPDの患者さんに対して、アドバンス・ケア・プランニングについては、具体的にどのように尋ねれば良いのでしょうか?」という質問があり、千田先生は「患者さんと一緒に、『フレイルのどの段階に位置しているか』という情報をシェアした上で、患者さんやご家族の意志を確認していくのが良いと考えられる」と返答されました。

また会場から、「COPDの患者さんにおいて、どのような所見で、フレイルを疑えば良いのか?」という質問があり、千田先生は「診察室に入ってくるときの歩く雰囲気、立つときの所作、疲労感の有無などが参考所見になる」と返答されました。

今話題となっているフレイルの概念と統合ケアについて深く学ぶことができ、大変有意義な研究会でした。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患