第57回日本呼吸器学会学術講演会 その2 立石医師が発表

第57回日本呼吸器学会学術講演会(4月21日〜4月23日)が東京国際フォーラムで開催されました。今回、当科からは、ポスター発表9演題、症例検討会での症例提示、臨床諸問題学術部会長である主任部長青島がYear Review in Assembly 7における講演など合計で11演題を発表しました。また青島はシンポジウム3の座長をつとめました。城下医師はトラベルアワードを受賞しました。

本稿ではその2として、立石医師の発表について報告します。

立石は「悪性腫瘍関連上大静脈症候群における治療効果の検討」を発表し、「Grade2以上の臨床症状を伴うSVC症候群を来し、追加または先行放射線治療を施行した19例を対象に組織型・腫瘍縮小効果・症状改善・生存期間等の検討を行ったところ、症状改善は全例で得られ、 改善までの日数中央値は4日と既報より短い結果であり、 放射線化学療法併用の効果の可能性が示唆された。 Grade2以上のSVC症候群に限定しても生存期間中央値は5.3ヶ月と既報告と同様の結果となり、 容認できる期間であった。 」という内容を述べました。

会場からは、「放射線治療での症状改善は腫瘍自体の縮小によるものと、側副血行路ができたことによるものと、本検討ではどちらが多かったと考えているか」というがあり、立石は「本検討では腫瘍縮小割合が28%との結果が出ているが、縮小によるSVCが開通した症例は少なくメインは側副血行路ができたことによる症状改善と考えている」と返答しました。

また「ステントを留置した症例は含まれているか」という質問もあり、「今回の検討にはステントを留置した症例は含まれていないが、数例ステントを留置した症例はある」と返答しました。

立石は、「呼吸器全般の様々な領域の他施設の演題を見ることができ非常に勉強になりました」と感想を述べておりました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患