進藤有一郎先生を招待し肺炎の研究会を開催!

2017年1月27日に肺炎の研究会を鴨川グランドホテルで開催し、主任部長青島正大が座長にて、名古屋大学医学部付属病院 呼吸器内科 助教 進藤有一郎先生に特別講演を行って頂きました。

進藤有一郎先生は、海外の一流誌に肺炎の臨床研究論文を掲載され(Lancet Infect Dis. 2015 Sep;15(9):1055-65. ,Am J Respir Crit Care Med. 2013 Oct 15;188(8):985-95.)、呼吸器感染症の領域で世界的に活躍されている先生です。

進藤有一郎先生は、演題名「感染症でエビデンスを創ろう 〜成人肺炎1500例の前向き多施設共同臨床研究の経験から〜」にて、講演を行って頂きました。

進藤先生は、講演にて次の内容を述べられました。

「肺炎においては、耐性菌リスク因子と死亡リスク因子が異なることを理解しておくことが重要である。耐性菌リスク因子は、国や地域によって違うため、それぞれの国や地域の医師が論文で発表していくべきだと考えられる。一方、死亡リスク因子は、世界的にも共通している。
我々のデータから、耐性菌リスク因子のない患者に、耐性菌までカバーした広域抗菌薬すると予後が悪化するということが判明した。よって、耐性菌リスク因子のない患者に対しては、適正な抗菌薬を使用することが重要である。
また、検出菌をカバーする抗菌薬を投与しても死亡する患者が存在し、このような対照群に対しては、適切なタイミングで免疫賦活療法が必要な可能性がある。
臨床研究に必要なものは、熱意に加え、質の高いプロトコールを作成すること、研究参加者が入力しやすいデータ入力フォーマット(データベース)を作成すること、地道にデータクリーニングをすることである。そして、研究を円滑に進めるためには、研究の意義や目的を皆でシェアすることが重要である。」

当科でも、今後臨床研究をさらに推進していくことを予定していることもあり、進藤先生の講演は、大変実践的でためになり、有意義な研究会となりました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患