第221回日本呼吸器学会関東地方会・第170回日本結核病学会関東支部会で森島医師が発表

山梨県甲府市で開催された第218回日本呼吸器学会関東地方会で、亀田総合病院呼吸器内科より森島医師(現 東京都立神経病院)が発表しました。また、指導医として、医長 中島が参加しました。

森島医師は、「僧帽弁閉鎖不全症を持つダイバーが浸漬性肺水腫と減圧障害により呼吸不全となった1例」を発表しました。

森島医師は、「本症例は、重症の僧帽弁閉鎖不全症が基礎にあり、冷水への曝露による浸漬性肺水腫の合併が疑われた。また、波高2mでは減圧停止が不安定であった可能性があることや、気管支喘息があり肺の過膨張を生じやすいと考えられ、動脈ガス塞栓症のリスクも持ち合わせていた。さらに、(1)高圧酸素療法によく反応した点、(2)感染兆候が乏しくもCRP高値があった点、も加味すると、減圧障害が存在したと考えられた。ダイビング後の呼吸不全では、浸漬性肺水腫と減圧障害を鑑別に挙げることが重要である。」と結論を述べました。

会場からは、「減圧障害としては、発症がやや遅かった印象だが、いかがでしょうか?」と質問があり、森島は、「ご指摘の通り、通常の減圧障害より症状のピークが遅くなっているが、本症例は診断がやや遅れ早期の高圧酸素療法ができなかったこともあり、発症数日後に症状のピークに達した可能性を考えている」と返答しました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患