第90回日本感染症学会総会・学術講演会で主任部長 青島正大と山脇が発表!その2

平成28年4月15日(金曜日)・4月16日(土曜日)に仙台国際センターで開催された第90回日本感染症学会総会・学術講演会で、当科主任部長青島正大と山脇聡が発表しました。

本稿はその2として、山脇の発表を報告します。

山脇は「肺非結核性抗酸菌症(non-tuberculous mycobacteria: NTM)の診断における気管支鏡検査での検体採取方法別の診断性能についての検討:単施設後ろ向きコホート研究」を発表し、次の内容を述べました。

「NTMが疑われ気管支鏡検査を施行した38例での検体別の感度は、生検組織38%、器具洗浄液67%、気管支鏡での吸引痰43%、気管支洗浄液83%であり、生検組織の培養または気管支鏡での吸引痰の培養ではNTMの除外はできないと考えられた。ガイドシース併用超音波内視鏡(EBUS-GS)の使用、非使用に分けると、EBUS-GS使用群での生検鉗子を洗った器具洗浄液の感度は100%と高値であったが、EBUS-GS非使用群での擦過ブラシを洗った器具洗浄液の感度は33%と低値であり、NTMの診断には、EBUS-GSを使用する場合は生検鉗子を洗う器具洗浄液、EBUS-GSを使用しない場合は気管支洗浄が有用である。」

会場からは、「EBUS-GSを使用する場合は、主に癌などの他疾患との鑑別に使用しますか?」との質問があり、山脇は「ご指摘の通りであり、特に腫瘤影や結節影など肺癌との鑑別が必要な場合で使用することが多く、そのような場合に有用だと思います。」と答えました。

感染症学会では、真菌感染症、抗酸菌感染症など日常の呼吸器診療に関わる部分はもちろんのこと、新興感染症や国際感染症など普段なかなか触れることの少ない分野の話が聞けて非常に勉強になりました。

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患