第56回日本呼吸器学会学術講演会 その1 症例検討会〜鑑別診断のスキルアップ 鈴木史医師が発表

第56回日本呼吸器学会学術講演会(4月8日〜4月10日)が京都国際会議場で開催されました。

当科からは、ポスター発表6題、ミニシンポジウム1題、症例検討会1題、シンポジウム1題、Year Review1題の合計10演題を発表しました。その中で、臨床諸問題学術部会長である主任部長青島はYear Review in Assembly 7における講演、シンポジウム13の座長をつとめました。山脇医師は研修医トラベルアワードを受賞しました。

本稿ではその1として、主任部長青島がオーガナイザー、部長代理野間が座長、鈴木がプレゼンターとして関わった「症例検討会〜鑑別診断のスキルアップ」について報告します。

コメンテーターは、大阪府済生会吹田病院呼吸器内科 長澄人先生、沖縄県立中部病院呼吸器内科 喜舎場朝雄先生、公立学校共済組合中央病院放射線診断科 上甲剛先生、長崎大学病理診断学 福岡順也先生につとめて頂きました。

鈴木は「18年の経過で徐々に拡大する右上葉すりガラス影を認めた1例」を発表し、「画像からはMALTリンパ腫が疑われ、VATSを行ったが、確定診断はつかなかった。VATSで十分な検体がとれていない可能性があり、今後進行する場合は中葉切除などの生検方法を検討する必要がある。」と結論を述べました。

鈴木は、「症例検討会は私にとってはじめての形式でしたが、結論の出ない難しい症例であった分、ディスカッションから学ぶことは多かったです。コメンテーターの長先生、喜舎場先生、上甲先生、福岡先生の症例の解説や日常臨床に役立つレクチャーはとても勉強になりました。」と感想を述べておりました。

今回の症例検討会は従来の当てもの的な性格から、鑑別診断のスキルアップをテーマとして、臨床側、画像診断側、病理診断側からの鑑別のアプローチにより最終診断に至るという実臨床に近い性格のものに変更しました。

企画を担当した青島は会の最後に「従来からの形式の違いに対して参加した先生方からのご批判を賜りたいと思います。学会のホームページで臨床諸問題学術部会宛てでも、あるいは亀田総合病院呼吸器内科宛てでも結構ですので、メールなどでご意見を頂けたら、また来年の企画に反映させていきたいと思います。」と締めくくりました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患