第13回日本臨床腫瘍学会学術集会で、鈴木史医師が発表!

7月16日〜18日に札幌で行われた第13回日本臨床腫瘍学会学術集会で、鈴木史医師が、「多発脳転移を認めるEGFR変異陽性進行NSCLCにおいてerlotinib+PEM+Bevの併用が奏功した2例」を発表しました。

鈴木医師は、「3rd line以降の化学療法は個々の症例に合わせて工夫が求められる現状であるが、肺腺癌stage4の2症例においてerlotinib+PEM+Bev (ATP療法)により初診時から38ヶ月の生存が得られていることから、薬物相互作用を狙った新しい治療戦略となる可能性がある。」と結論を述べました。

会場からは、「NEJ026試験におけるAT療法のようにerlotinib+bevの有効性は認められているが、さらにPEMを併用する必要はあるのか。」と質問がありました。

鈴木医師は、「PEM+Bev併用の有効性、安全性はPhase 3のAVAPERL試験においてもすでに証明されており、今回、erlotinib+PEM+Bevの2症例においても有害事象なく治療可能であった。薬物相互作用による治療効果の増強は期待できるものであり、今後、臨床試験でのさらなる検討が必要と考えている。」と答えました。

学会では、肺がんの免疫療法のセッションや、SCRUM-Japanのような遺伝子解析のシンポジウムなど最新のトピックスを聞くことができ、大変勉強になりました。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患