中野かおる管理栄養士が日本病態栄養学会に参加してきました

亀田京橋クリニックで便秘や便失禁に対して栄養相談を行っている管理栄養士の中野かおるが日本病態栄養学会に参加してきました。皆さんも興味がある低炭水化物ダイエットについての論議があったようです。以下中野の報告です。


2017年1月13〜15日に国立京都国際会館で開催された第20回日本病態栄養学会年次学術集会に参加しました。雪が舞う中、医師、管理栄養士、大学生など、多くの方々が参加されていました。3日間で700件を超える演題があり、どれも聞きに行きたいものばかりでしたが、今回は主に生活習慣病の講演を中心に回りました。
なかでも、「低炭水化物の食事療法」についての是非を問う討論は白熱しておりましたが、肯定派が劣勢であったように見えました。普段私が行っている栄養相談者様の中でもご飯を控えてはいるのですが、お菓子などの嗜好品を食べ過ぎている方が多くいらっしゃいますが、結局のところ主食となる穀物を極端に減らすよりも、まずはおやつ、果物、飲み物などで摂ってしまいがちな単純な糖質を控えていくことを取り組むのが先決のようです。
また、BMI30以上の患者様の減量には脂質制限が有効とのお話もありました。
討論の最後では日本の文化を大切にした食事を提供しましょう、とまとめられていました。
すぐに次の日から外来や人間ドックの栄養相談で活かせる内容の講演が多く、とても勉強になりました。
(注)BMI: Body Mass Index 「ボディ・マス・インデックス」、「体格指数」といい肥満度を表す指標として用いられる。計算は[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]、日本ではBMI 25以上が肥満と定められています。

やや耳が痛い内容ですが、年々どの分野でも食事療法の重要性が高まっているように感じます。今後、この学会でも排便機能に関する食事療法の演題が取り上げられるようになるといいですね。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害