角田明良部長が九州大腸肛門病懇談会で講演を行いました

2017年2月4日九州、久留米市で行われました第104回九州大腸肛門病懇談会で角田明良部長が「直腸脱に対する最新の外科治療」のタイトルで特別講演を行いました。

角田部長は、直腸脱は腹腔鏡手術の時代に入ってきたこと、なかでも、Laparoscopic Ventral Rectopexyはassociated genital prolapse(膀胱瘤や子宮脱)の修復やenterocele(小腸瘤)やrectocele(直腸瘤)などのmiddle〜post compartment prolapseにも有効で、術後合併症が少ないことを手術ビデオで提示しながら述べました。
参加者からは「経肛門的手術と経腹的手術の適応の違いはあるか?」の質問には「基本的に腹腔鏡手術をします。経肛門的手術は極度の亀背で腹腔鏡の手術が困難なときに行っています。」と答えました。
また別の質問「ビデオをみると、直腸膣中隔の剥離がやや直腸側ではないか?」には、「最近は腟内にヘラを入れて挙上し、膣側で直腸膣中隔を剥離しています。」と回答しました。
また「直腸後方の剥離をすると、良いとの論文を読んだことがあるが・・・。」の質問には、「術後の直腸肛門重積が排便機能に悪い影響があるので、最近は直腸後方の剥離をして、癒着させる試みを行っています。」と答えました。
質問の内容がとても踏み込んだ内容で参加者のレベルの高さが伺えます。さすが100回以上行われている伝統ある懇談会です。

(注) middle〜post compartmentとは膣を中心として中心部の子宮、または膣後壁(小腸瘤や直腸瘤)のことを指す、骨盤臓器脱専門でよく用いられる用語

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害