直腸肛門機能検査の重要性について高橋知子医師が厚生労働大臣指定講習会で講師を務めました

2026年2月23日、山梨県にて開催された厚生労働大臣指定「タスク・シフト/シェア講習会」において、「直腸肛門機能検査」について講師を務めさせていただきました。
本講習会は、医療現場における役割分担の見直し(タスク・シフト/シェア)を推進し、医療の質と安全性を高めることを目的としており、これまでは医師が行っていた検査を臨床検査技師さんへ移行するための講習会となり、今回も多数の山梨県・長野県で働く臨床検査技師さんが参加されました。

直腸肛門機能検査とは

直腸肛門機能検査は、排便に関わる肛門括約筋や排便にかかわる神経の働きを評価する検査です。
便失禁や便秘、排便困難といった症状は、生活習慣の問題だけではなく、骨盤底機能の異常が関与していることもあります。
また、分娩時に肛門括約筋が損傷し、その後も便失禁症状が持続している場合には、この検査を行って次の分娩様式を決める判断材料ともなります。
この検査により、
・肛門括約筋の収縮力
・直腸の感覚や貯留機能
・排便時の協調運動
などを客観的に評価することが可能になります。

なぜ検査が重要なのか

排便障害の治療は、検査の結果に応じて異なっていきます。
例えば、
・筋力低下が原因 → 骨盤底リハビリ、挿入型肛門用失禁装具、手術
・感覚異常 → 行動療法や薬物療法、
・協調運動障害 → バイオフィードバック
といったように、正確な診断が治療の方向性を左右します。
そのため、症状だけで判断するのではなく、直腸肛門機能検査に基づいた診療が非常に重要です。

患者さまへ

以下のような症状でお困りの方は、一度ご相談ください。
・便を我慢できない
・便秘が長く続いている
・排便時に強くいきまないと出ない
・出産後から便失禁が持続している
これらは「よくあること」と思われがちですが、適切な診断と治療により改善できる可能性があります。

医療従事者の方へ

排便障害はQOLに大きな影響を与える一方で、適切な評価が行われていないケースも少なくありません。
タスク・シフト/シェアの観点からも、直腸肛門機能検査の理解と活用は今後ますます重要になると考えられます。当外来では、専門的な評価に基づいた診療を行っております。

このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害