骨盤底筋リハビリで効果がなかった肛門部痛・前立腺術後の尿失禁に対してバイオフィードバック訓練を行い効果がみられた症例について理学療法士 須貝朋が発表を行いました
肛門部の痛みや前立腺術後の尿失禁について骨盤底筋リハビリが有効であることは、徐々にわかってきていますがリハビリテーションの内容については未だ明らかになっていないのが現状です。
今回理学療法士 須貝が肛門筋電図計によるバイオフィードバック療法を使用した治療経験を発表しました。
2024年10月19,20日に川崎で開催された、第10回日本ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法研究会学術大会にて、症例発表をしてまいりました。
今回は前立腺全摘出術後の尿失禁、肛門部痛に対しての骨盤底筋リハビリの効果についてです。
骨盤底筋訓練は正しい方法で行うことが大切です。
症状改善のために、骨盤底筋をしめるということはもちろん大切なのですが、しめる強さや回数、姿勢などが間違っていると、逆に症状を悪化させてしまう可能性があります。
そして骨盤底筋をしめることと同じくらい、筋肉がしっかり緩むことも大切なのです。
単に決まったプログラムだけを提供するのではなく、
理学療法士が姿勢や呼吸、筋肉の収縮の強弱、日常生活動作やセルフトレーニング内容など、個人に合わせたフィードバック(動作の理解を深める手段)を行うことで、症状の改善に貢献できるということを今回の発表を通して強く感じました。
今回は、フィードバックの一つの手段として肛門筋電図を使ったバイオフィードバック療法を使用しました。 運動の感覚がわかりづらい方に対しては、実際に筋肉の活動を筋電図の波形で見ながら練習を行うことができるため、リハビリをスムーズに進めることができます。
発表の際には
「バイオフィードバックをどのように活用しているのか」、
「患者様への指導内容、頻度や回数はどのようしているのか」
など様々な質問を頂き、有意義なディスカッションをすることができました。
今回の経験を活かしてこれからも診療に活かしてまいります。
このサイトの監修者
亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子
【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害