理学療法士 安倍美紀が「排便機能障害に対する肛門筋電図を用いたバイオフィードバック療法の取り組み」について発表しました
第10回ウィメンズメンズヘルス理学療法学術大会に行ってきました!
今回は当院で実施している筋電計を用いたバイオフィードバック療法(以下BF療法)の取組について発表させて頂きました。
亀田クリニック、亀田京橋クリニックでは、排便機能障害のある方に対し、肛門筋電計と腹壁筋電計を用いて、BF療法を行っています。
対象疾患は便が出しづらい、残便感がある便排出困難の方、便が間に合わずにもれてしまう切迫性便失禁、いつの間にか下着が汚れてしまう漏出性便失禁、ガス失禁の方など様々です。
骨盤底筋群は関節の動きを伴わない筋収縮が求められること、部位的に確認しづらいこと、殿筋群や腹壁筋群の代償運動が入りやすいことなど、一度正常な機能が何らかの原因で失われてしまうと再学習が難しくなります。
その点、BF療法では筋活動の様子を視覚的に確認しながら実施でき、代償運動などもその場で修正ができ、より効果的に骨盤底筋群のトレーニングができるようになり、改善例を多く見てきました。
まだまだ肛門疾患に対する理学療法士の介入は少なく、エビデンスも海外のものがほとんどです。
今後もさらに臨床経験を重ね、その効果や取組内容をまとめて行きたいと思います。
今回の学会のテーマは「ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法の価値と協創」について学会長の横井悠加先生よりお話があり、日本人特有の身体的特性や生活環境を反映したエビデンスの構築、費用対効果などまだまだ「理学療法の価値」を協創していくためにはたくさんの課題があり、多職種と関わり、認められることが求められます。
亀田総合病院、亀田クリニックでは熱心な医師を中心に早くから産前産後や骨盤底リハビリの分野にて多職種による介入を行っております。
日々、臨床に追われる毎日ですが、ウィメンズヘルス・メンズヘルス理学療法の価値と協創を課題に論文化もすすめて行きたいと思います。
このサイトの監修者
亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子
【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害