第23回大腸肛門機能障害研究会において高橋知子医師が「3-Dimention経膣・経肛門超音波を使用しての経膣分娩による骨盤底への影響」を発表 その1

2017年9月2日開催された第23回大腸肛門機能障害研究会では当院からは5題の発表を行いました。今回よりその発表内容を紹介していきます。高橋知子医師からは「3-Dimention経膣・経肛門超音波を使用しての経膣分娩による骨盤底への影響」の演題で発表がありました。

経膣分娩は失禁や骨盤臓器脱への原因となると言われていますが、実際に骨盤底へ与える変化に対する研究は少ないのが実情です。今回、高橋は亀田総合病院産婦人科の協力のもと37例の初産婦に対して分娩前後に3D経膣超音波と経肛門超音波を使用して骨盤底の評価を行いました。経膣超音波では分娩後で80%に恥骨直腸筋への損傷を認めたが、恥骨と恥骨直腸筋で囲まれたLevator Hiatusの面積、前後・横径に有意差はなかった。また肛門超音波検査を施行した約30%に外肛門括約筋の損傷を認めたが、便失禁の症状を訴える例は1例しか認めなかったと発表しました。高橋は今後、症状を有する方への検査を進めて骨盤臓器脱や失禁の発生予防につなげていけるような研究につなげていきたいと考えています。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
消化器外科部長 高橋 知子

【専門分野】
肛門疾患、排便機能障害、分娩後骨盤底障害