vol.40 NQF(National Quality Forum)

NQF(National Quality Forum:医療の質の測定・評価をそのミッションとしている米国の非営利団体)が5つの新しい医療の質評価向上(quality measurement)プロジェクトの一つに緩和ケアに関連したプロジェクトを選んだとのこと。

このプロジェクトは、電子カルテの患者の語りデータなどから、コンピューターサイエンスや言語学アプローチより、患者のケアの質を評価するというもの。こういった独創的な研究を進めるには、医学や医療以外の分野とのコラボレーションが欠かせません。先進的な研究は、異なる分野をつなぐ作業から生まれることが多いといいますが、この研究は、医学・医療の質(緩和ケア)、電子カルテ(情報工学(言語学))をつなぐ作業そのものです。ちなみに、この研究者はスウェーデン出身で元は、遺伝学の研究者だったとのこと。後に渡米し米国で内科と緩和ケアの臨床研修を経て、現在は、この研究に従事されているようです。研究者のキャリアもやはり研究テーマ同様、異なる分野をまたいでいるんですね。医療の質の研究プロジェクトの1つに緩和ケア分野が選ばれることに、今の時代の流れを感じます。日本でも類似の研究がきっとどこかで発生してくることでしょう。どのような成果が得られるか、今から楽しみですね。

(関根)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和