vol.34 「ICUナースはICUで求められる緩和ケアを実践できているか?」 

「ICUナースはICUで求められる緩和ケアを実践できているか?」 
 米国では5人に1人がICUで亡くなっているとされます。死亡場所がたとえICUであっても適切な疼痛・緩和ケアが提供されるべきであるという考えが以前に比べて高まってきています。
 全米の5病院にある計26箇所のICUに勤務する600人弱の看護師が回答したこの調査によると、ICUナースらは、ICUで緩和ケアが提供されることは非常に重要であり、その主提供者はICU看護師と答えています。しかしながら、実際には、医師と患者、家族間の終末期ケア、治療ゴール決定に関する話し合いのプロセスに関われている看護師は少数派に留まっているという残念な結果です。ICUナースが終末期の治療ゴールに関する話し合いに関われていない理由としては、その分野の研修不足、ICU医師がナースの視点から助言を求めようとしていないこと、緩和ケアに関する話し合いを心理的負担と感じていること、等が挙げられました。
 日本においても、近年、米国同様、ICUにおける緩和ケアの重要性が指摘されていますが、どうやってそれを実現していくのか、これからの状況です。

(関根)

http://www.medscape.com/viewarticle/864807

このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和