vol.33 Being Mortal

皆さんはDr. Atul Gawandeをご存じでしょうか?Being Mortalという国際的ベストセラー本で有名な外科医です。丁度数日前に本書の日本語訳(邦題:死すべき定め――死にゆく人に何ができるか )がみすず書房から発売になり、いきなり医学書部門で第1位にランクインしています。本書でDr. Gawandeは外科医の立場から、先進国における超高齢多死社会が進むべき道筋を、様々な個性的な患者の物語を通して訴えかけています。ちなみに私が最も印象的だったのは著者自身の父親の物語でした。皆さんもぜひご一読を!
今回のニュースは、そのDr. Gawandeが米国議会の議員たちに、終末期医療の質の評価指標は画一的で、本来の緩和ケアの質を測るには焦点を狭くしすぎていること、そして終末期医療にもっとも重要であるアドバンス・ケア・プランニングにおける話し合いが欠如していることを訴えたという内容です。米国では85%の国民が終末期に受けたい医療について医師と話し合いたいと答えているが、実際には15%の国民しか話せていないという調査結果が紹介されています。今後の動向に注目です。

(関根)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和