vol.27 Choosing wisely(賢い選択)

2013年より米国老年医学会はChoosing wisely(賢い選択)の優先課題として10項目を挙げています。そのうち、ポリファーマシー(多剤併用)関連事項が実に6項目あり非常に重要と思われますので、シェアさせていただきます。(項目によっては議論の余地が多々あるものが含まれていますが、ここではエビデンスに基づく一般的な学会レベルの推奨事項としてご理解ください)

  • 認知症の行動・精神症状に向精神薬を第一選択にしない
  • 高齢者にヘモグロビンA1cを7.5%未満にするためにメトホルミン以外の薬物を利用することを避ける。
  • 高齢者の不眠・興奮・せん妄に対して、ベンゾジアゼピンやその他の鎮静薬を第一選択として使用しない。
  • 高齢者の細菌尿に対して、症状がなければ抗生剤を使わない。
  • 認知症に対して、定期的な認知機能の評価と消化管有害事象の評価を行わずに、コリンエステラーゼ阻害剤を処方しない。
  • 患者の処方薬リストの確認なしに薬物を処方してはならない。

さあ、皆さんはいくつ遵守できているでしょうか?

(関根)

http://www.choosingwisely.org/societies/american-geriatrics-society/

このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和