vol.22 治療による利益の関するエビデンス

治療による利益の関するエビデンス:緩和ケア>FDA認可薬?
Dr. Eric WideraがブログGeriPalのなかで、Dr. Halpernが死にゆく人へのケア政策やその実践方式に関してFDAで認可薬で必須な科学的根拠のレベルでの有益性が示されたものがまだ存在しない、と最も権威のある学術雑誌NEJM(ニューイングランドジャーナルオブメディシン)に論文掲載したことに猛烈に抗議しました。緩和ケアは既に複数の論文で、ケア介入効果がRCT(ランダム化比較試験)で示されているのに、どうしてそれを無視するのか?と。ところで論文結果の読み方は、研究者によって様々です。Dr. Halpernは、ブログへの返事のなかで、緩和ケアの必要性は認めつつも、これまでのRCT研究で示された内容のみではまだ緩和ケアに十分なエビデンスがあるとは結論できない。私たちは謙虚に、有効性に関する臨床研究を続けて、より良いケア方式を追及すべきであることを強調しました。

(関根)

http://www.geripal.org/2015/10/evidence-for-palliative-care-is-strong.html

このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和