【活動報告】第1回院内緩和ケアレクチャー

昨晩の「第1回院内緩和ケアレクチャー」の報告です。今年度のテーマである『事前指示書普及のバリア』についてざっくばらん、自由に語り合いました。

研修医から卒後20年目まで幅広い経験値の参加者が集いました。和やかな中にもこの意見は絶対に譲れないといった信念が静かに、熱く語られました。ある研修医は「救急搬送時の初対面で、事前指示書を作成することは、研修医にとってかなりの負担。経験が浅く病状経過を見通すことも難しく、コミュニケーションも慣れていない研修医が、こんな説明でいいのだろうかと思いながら、事前指示書を取っているのが現状」と。ある中堅医師は「殆どの患者さん、特に高齢患者さんは安らかな最期を望んでいるはず。でも、本来しなければならないコミュニケーションを省略し、漫然と苦しい治療を続けるケースがまだまだ多すぎる。解決策として、すべての国民が学生時代から死生学を必須カリキュラムとして学ぶことが必要なのでは」という意見。「事前指示書はよりよい患者さんの最期のために医療者と患者が一緒に作成するもの。医療者の都合が主となって運用するツールではない。事前指示書を"取る"という言い回しも問題」という厳しい意見も出されました。

今後も、このような場を積み重ね少しずつであってもより望ましい事前指示書の運用に向けて取り組んでいきたいと思います。

(関根)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和