vol.53 米国のDeath Doulas Programの試み

米国のDeath Doulas Programの試み:ボランティアによる看取りのプログラムの取り組みが紹介されています。

Doulaとは、出産のときに妊婦につきそいサポートする人のことを指すようです。出産のときと同様に亡くなるときにも苦しみが伴いますから、そのつらさを癒すために死に逝く人に寄り添うボランティアをdeath doulaと名付け、この活動の輪を拡げる動きが紹介されています。

この記事の中ほどある動画に登場するDr. Susan Cohenは、私が2005年にブロンクスVA病院で緩和ケアフェローをしていたときの指導医の一人です。人なつこい温かい人柄でどんな気むずかしい患者や家族にも、話合いの終わりには笑顔がもたらされるような、素晴らしい先生でした。当時から12年経ちましたが、Susanは当時と変わらない生き生きとした表情で、このプログラムの素晴らしい効果について語っています。生まれることと同様に亡くなることは本来、自然のサイクルの一部だったはずです。ですから、一般の人が死に逝く人を見守るこのような活動が日本でも各地で存在してもよいのだろうと思います。ボランティアが看取りに参加するためには必要最低限の学習事項を実施する必要もあるでしょうから、簡単ではないでしょう。それでも、私は将来的にはこうした取り組みが日本でも始まり、広がってゆくだろうと楽観視し期待しています。

(関根)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和