【活動報告】緩和ケアアウトリーチ活動

毎月一回開催している緩和ケア勉強会。今回のテーマは、先月の症例に対して具体策を考える、でした。

症例:80歳代女性 慢性腎不全、脊椎圧迫骨折、脳髄膜腫術後
入院までの経過: 20・・年12月中旬 食思不振、嘔吐出現で入院精査で他院で治療開始。咽頭期嚥下障害があり、食事摂取困難と指摘され、胃ろう造設し転院してきた。
現在:数口お楽しみ程度に経口摂取し、栄養は胃ろうから入っている。
問題点:家族間で意見が違うので、どのように対応したら良いかわからない
夫:同居 →好きなものを食べさせてあげたい
長女:近隣に住んでいる→本人が食べたい時に食べられるものを少し食べられればよい
次女:食べられない原因の精査をすべきでは?
検査をしないのか?と言っている次女は看護師で、あまり面会に来ない状況。
キーパーソンは長女。

どのように調整したらよいかわからない...。
いつものように、問題点を整理

  1. 何が問題なのか
  2. どのように困っているのか?
  3. 誰が困っているのか(誰の問題なのか)

について話し合い、今回は、 自分達ならどう対応するかについて話し合いました。
色々なディスカッションがあり、具体策まででました。
実は...医療者が家族の場合、変に意識したり、緊張したり...していませんか?
家族との関わりをできる限り対立ではなく一緒に考えましょうと伝えかかわると、患者さんをお互いに大切に思っていることが伝わり、協力関係でケアできるようになるかもしれません。
今回も暖かな雰囲気で終わりました。

(千葉)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
疼痛・緩和ケア科部長 関根 龍一

【専門分野】
病状の進行した(末期に限らない)癌や癌以外のあらゆる疾患による難しい痛みのコントロール、それ以外の症状の緩和