骨粗鬆症治療薬-活性型ビタミンD製剤

投稿日:2023年11月6日

ビタミンDは日光を浴びることにより皮膚で合成されます。また魚介類、卵黄、乳製品、干しキノコなどから、食品として摂取することも可能です。残念ながら日本においては、ビタミンDの摂取量は不足しがちです。

活性型ビタミンD製剤は、骨粗鬆症の治療において、他の骨粗鬆症薬剤との併用や、骨密度減少が進行している場合に用いられます。日本ではアルファーカルシドール、エルデカルシドールなどが保険適応となっています。

活性型ビタミンD製剤は、腎臓での活性化を必要としないため、腎臓疾患患者や高齢者でも利用が可能です。活性型ビタミンD製剤は、腸管からカルシウムの吸収を促進するとともに、骨代謝を調整する作用があります。具体的には、骨吸収抑制作用により骨密度を改善する効果があります。

活性型ビタミンD製剤は、医師の指示に従って適切な用量・使用期間で使用することが重要です。また、過剰摂取による高カルシウム血症の発生に注意が必要です。高カルシウム血症の症状としては、食欲不振、吐き気、便秘、脱力感、頭痛、尿量の減少などがあります。症状が現れた場合には、速やかに医師に相談する必要があります。

なお、活性型ビタミンD製剤は、他の薬剤との併用によって相互作用が生じる場合があります。例えば、ジゴキシンやフェニトインなどの薬剤との併用は、高カルシウム血症を引き起こすリスクがあるため、注意が必要です。

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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