骨代謝マーカーについて

投稿日:2023年10月30日

ちょっと難しい話です。

骨粗鬆症の治療に骨代謝マーカーを用いられるようになりました。骨代謝マーカーは血液検査により測定できます。
骨代謝マーカーとは、骨の新陳代謝に関わる物質で、骨形成や骨吸収の程度を示す指標です。代表的な骨代謝マーカーには、以下のようなものがあります。

骨形成マーカー: Osteocalcin (OC)、骨型アルカリフォスファターゼ (BAP)、I型プロコラーゲン-N-プロペプチド (P1NP)など。当院ではP1NP (ピー・ワン・エヌ・ピーと読みます)を測定しています。
骨吸収マーカー:ピリジノリン (PYD) 、デオキシピリジノリン (DPD) 、I型コラーゲン架橋N-テロペプチド (NTX)、酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ-5b (TRACP-5b)など。当院ではTRACP-5b(トラップ 5bと略します)を参考にしています。
骨マトリックス関連マーカー: 低カルボキシル化オステオカルシン (ucOC)、ホモシステイン (HCY) など

骨代謝マーカーの測定により、骨形成や骨吸収の活性度を評価し、骨粗鬆症のリスク評価や治療効果の判定に役立てることができます。
骨代謝マーカーは骨粗鬆症のリスク評価や治療効果の判定に有用な指標となっています。しかし、測定結果を適切に判断するためには、専門的な知識や経験が必要であるため、医師の指導のもとで行うことが望ましいとされています。

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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