サルコペニア

投稿日:2023年10月16日

フレイル、ロコモーティブシンドロームと同様、サルコペニアも近年注目されている概念です。

「サルコペニア」は、ギリシャ語の「sarx(肉)」と「penia(不足)」から来ています。サルコペニアは、筋肉量や筋力が低下し、身体機能が低下する状態のことを指します。
この用語は、最初に1990年代に提唱されたもので、現在では高齢者の身体機能低下の重要な原因の一つとして注目されています。身体活動の低下が原因とされていますが、そのメカニズムは完全には解明されていません。筋肉量の減少は、広背筋、腹筋、膝伸筋群、臀筋群などの抗重力筋に主に認められます。このため立ち上がりや歩行がだんだんと億劫になり、老人の活動性低下の大きな原因ともなっています。

サルコペニアの診断基準は、フレイルとも一部重複しています。
 握力低下:男性<28kg、女性<18kg
 歩行速度低下:<1.0m/秒
のいずれか、または両者を満たし、
 DEXA法による骨格筋量指数(SMI):男性<7.0/m2、女性<5.4/m2
の場合にサルコペニアと診断されます。

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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