フレイル

投稿日:2023年10月2日

フレイルという言葉を聞いたことがありますか?医学用語の「frailty」 の略で、日本語では「虚弱」と訳されています。病気とはいえないけれど、健康とはいえない状態を指します。一般には高齢者に見られる、身体機能や認知機能の低下、栄養状態の悪化などが複合的に起こる状態を指しています。

厚生労働省研究班の報告書では「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」と定義されています。

さまざまな診断基準が提唱されていますが、改定日本版フレイル基準(J-CHS基準)を紹介します。
体重減少:6ヶ月で2kg以上の体重減少
筋力低下:握力:男性<28kg、女性<18kg
疲労感:(ここ2週間)訳もなく疲れたように感じる
歩行速度:通常歩行速度<1.0m/秒
身体活動:①軽い運動や体操をしていますか?
     ②定期的な運動・スポーツをしていますか?
     上記の2つのいずれも「週に1回もしていない」と回答

上記5つの項目のうち、3つ以上が該当する場合にフレイルティと診断されます。また、2つ該当する場合は「フレイルティ予備軍(prefrail)」と診断されます。

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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