副甲状腺ホルモン(PTH)とカルシトニン

投稿日:2023年9月11日

甲状腺は知っていますね?甲状腺はのどぼとけの下にある、蝶のような形をした内分泌器官で、甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺ホルモンは代謝や体温、心拍数、成長や発育、精神状態などに重要なホルモンですが、カルシウム代謝に関しては主役ではありません。

今日覚えていただきたいのは副甲状腺、甲状腺の裏側にある米粒くらいの小さな臓器です。上下左右に一つずつ、合計4個あります。「副」とはついていますが、甲状腺とは独立した立派な内分泌器官です。

この副甲状腺から分泌されるのが、副甲状腺ホルモン(PTH)です。名前は甲状腺ホルモンに似ていますが、甲状腺ホルモンとは全く別の働きをしています。

血中カルシウム濃度が低下したときに、骨からカルシウムを放出させるのが、この副甲状腺ホルモン(PTH)の重要な役割です。まさに、カルシウム銀行(骨)から預金(カルシウム)を引き出す、キャッシュカードみたいですね。

さらにPTHは腎臓からのカルシウムの再吸収を促進し、カルシウムの尿への排泄を減少させることで、血中カルシウム濃度を上昇させます。骨と腎臓に作用して、血液中のカルシウム濃度を高めるように働くのが、PTHの主な働きです。

甲状腺からはいわゆる甲状腺ホルモンのほかに、カルシトニンというホルモンも分泌されています。(甲状腺から分泌されますが,公受洗ホルモンとは異なるホルモンです。)カルシトニンは血液中のカルシウム濃度が高くなると分泌が促進されます。

カルシトニンはPTHとは全く逆の働きをしています。カルシトニンは骨からのカルシウム放出を抑制し、腎臓でのカルシウム再吸収を低下させます。結果として血液中のカルシウム濃度を低下させることになります。

副甲状腺ホルモンとカルシトニン、全く逆の働きをする二つのホルモンが協力して、血中カルシウム濃度を絶妙に維持しているんですね。

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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