原発性骨粗鬆症と続発性骨粗鬆症

投稿日:2023年8月21日

原発性骨粗鬆症は、骨量が低下して骨の強度が低くなる疾患です。主に閉経後の女性に多く、女性ホルモンの減少が原因と考えられています。女性ホルモンは、骨を形成する細胞の活動を促進する作用がありますが、閉経により女性ホルモンの分泌が低下すると、骨形成細胞の活動が低下して骨量が減少します。

続発性骨粗鬆症は、他の疾患や治療によって骨量が低下する疾患です。例えば、長期間のステロイド剤の使用や腎機能障害、食事療法などが原因となります。続発性骨粗鬆症では、骨粗鬆症治療とともに、原疾患の治療が重要となります。

続発性骨粗鬆症は次のように分類されています。
1) 内分泌性: 副甲状腺機能亢進症、クッシング病、甲状腺機能亢進症、性腺機能不全など
2) 栄養性: 胃切除後、神経性食思不振症、吸収不良症候群、ビタミンC欠乏症、ビタミンA・ビタミンD過剰
3) 薬物: ステロイド、抗痙攣薬、ワルファリン、性ホルモン抑制療法、メトトレキセート、ヘパリンなど
4) 不動性: 全身性(臥床安静、対麻痺、廃用症候群、宇宙旅行)、局所性(骨折後など)
5) 先天性: 骨形成不全症、マルファン症候群など
6) その他: 糖尿病、慢性腎臓病、関節リウマチ、アルコール多飲、慢性閉そく性肺疾患など

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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