骨粗鬆症と女性ホルモン

投稿日:2023年8月7日

骨粗鬆症は、骨量や骨密度が低下して骨が脆くなり、骨折しやすくなる疾患です。
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、骨形成に関わる細胞の働きを促進し、骨吸収を抑制する働きがあるため、骨粗鬆症のリスクを低下させることが知られています。

しかし女性は閉経後にエストロゲンの分泌が減少するため、骨量や骨密度が低下し、骨粗鬆症のリスクが高くなります。また、若年期に女性ホルモンの分泌が不十分である場合や、女性ホルモンの分泌が早期に停止する場合にも、骨粗鬆症のリスクが高くなると考えられています。

女性ホルモン補充療法(HRT)は、閉経後の女性において骨粗鬆症の予防に効果的であることが示されています。ただし、HRTには女性ホルモン特有の副作用があります。

骨粗鬆症治療目的には、エストロゲンのもつ女性ホルモン作用を抑えた、SERMと呼ばれている選択的エストロゲン受容体修飾薬(Selective Estrogen Receptor Modulator)が用いられています。

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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