転倒の危険因子(内的要因)

投稿日:2023年7月18日

わが国での在宅高齢者の9.4%が、1年間に1回以上転倒していたと報告されています。高齢者の中でも年齢が上がるほど、転倒の頻度が高くなることが知られていいます。

年間17万人を超えるといわれる大腿骨近位部骨折の、80~90%が転倒によると言われています。
転倒危険因子は、大きく内的要因と外的要因に分類されます。

このうち内的要因は、運動器系、神経系、循環器系、感覚奇形にかかわる疾患や、薬剤の副作用などに起因するものです。
疾患の治療や薬剤の調整により、改善する可能性があります。また筋力低下など運動機能に関する因子は、先に紹介した運動療法により改善することが期待できます。

運動器系: 筋力低下、バランス能力低下、柔軟性の低下、姿勢の変化、運動速度の低下、変形性関節症、骨折など
神経系: パーキンソン症候群、脳血管疾患、脊椎脊髄疾患、認知障害など
循環器系: 不整脈、起立性低血圧、心不全など
感覚器系: 視力低下、聴力低下
薬剤の副作用: 睡眠導入剤、抗不安薬、向精神薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、降圧剤など

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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