骨粗鬆症とサプリメント

投稿日:2023年5月29日

骨粗鬆症予防には、カルシウムやビタミンDなどの栄養素が必要です。
食生活が欧米化してきたとはいえ、平均的な日本人では乳製品の摂取量が少ないため、どうしてもカルシウムが不足しがちです。成人で1日1000〜1200mg程度が理想とされていますが、現代の日本人の20歳以上の平均摂取量は508㎎/日(平成23年)と報告されており、食事摂取基準で定められた成人推奨量(650~800mg)にも達していません。
食物中のカルシウムが吸収されるには、十分なビタミンDが必要です。天然ビタミンDを多く含む食べ物には、サケ、ウナギなどの海水魚類、干したきのこ類、卵黄などがあります。ビタミンDは日光によっても合成されるため、日光浴や散歩もビタミンD合成に役立ちます。
ビタミンDの適切な摂取量は、成人で1日10~20㎍/日とされていますが、実際には8.2㎍/日しかとられていないと報告されています。こちらも必要な摂取量に達していません。
食事だけでは十分でない場合は、サプリメントで補充することも可能です。
しかし、サプリメントを服用する際には注意が必要です。カルシウムを過剰に摂取により、腎機能への影響や高カルシウム血症などの心配があります。ビタミンDの過剰摂取も、中毒症状を引き起こす可能性があります。さらに、大量のサプリメント接取により心血管イベント(心筋梗塞や狭心症など)が誘発されたとの報告もあります。
サプリメントは骨粗鬆症予防に役立つことがあります。
ただし、サプリメントだけに頼るのではなく、バランスの良い食事と適度な運動を継続的に行うことが重要です。
サプリメントを摂取する前には、医師や薬剤師に相談し、適切な量を摂取するようにしましょう。

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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