冬眠中のクマはなぜ骨粗鬆症にならないの?

投稿日:2023年5月15日

運動が骨粗鬆症予防に重要なことはご存じですね。
逆に動かないでいると急速に骨密度が低下してしまいます。
でも冬眠中のクマは骨粗鬆症の心配はないんでしょうか?春になって穴から出てきたら、足の骨がポキッ!なんてしゃれになりませんからね。
クマの秘密、ちょっと調べてみました。
これには、ビタミンKの項で紹介した、オステオカルシンという物質が関係しているようです。冬眠中のクマは血中のオステオカルシンを増加させ、骨の修復やリモデリングを促進し、冬眠中の骨密度の低下を防いでいるといわれています。
冬眠中のクマは、活性酸素の生成を抑制する抗酸化物質を増加させることも知られています。活性酸素は細胞や組織を損傷します。抗酸化物質の増加によって、骨細胞のダメージを防ぎ、骨密度を維持することが期待できます。
さらに、冬眠中のクマは、筋肉量も減少しないと言われています。このため、クマは冬眠から目覚めたときに、すばやく活動を再開することができます。
冬眠中でも骨密度が低下しない、筋肉量も低下しないなんて、ちょっとうらやましいですね。
誰か早く、医療に応用してくれないかな~!

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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