飲酒の骨粗鬆症に与える影響

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お酒はまったく飲んではいけないのでしょうか?
今回は骨粗鬆症と飲酒について考えてみます。

「過度なアルコール摂取」は骨粗鬆症の原因となることが知られています。
骨形成に必要なビタミンDは、肝臓と腎臓で活性化されます。食事から接取したビタミンDは、活性化という過程を経て初めて有効に働くようになります。
過剰なアルコール摂取により肝機能が低下すると、ビタミンDの活性化が妨げられます。そうすると消化管からのカルシウムの吸収が低下し、腎臓からのカルシウムの排出が増加、結果として骨形成に利用される血中カルシウムが不足してしまいます。
逆に、適度な飲酒(週1~2杯程度)は、骨粗鬆症のリスクを軽減したという報告もあります。フラボノイドやポリフェノールが、酸化ストレスを軽減し、骨の状態を改善することが示唆されています。心筋梗塞や脳血管障害でも知られている効果です。
まさに、「お酒はおいしく適量を」ですね。
でも、適度なアルコール摂取の基準については、性別や年齢、健康状態などによって異なります。担当の医師にご相談ください。

亀田総合病院 脊髄脊椎外科 久保田基夫

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