抄読会

遅くなりましたが、3月に当科をローテートして下さっている循環器内科の宮國先生にJAMAの"Effect of Renal Denervation and Catheter Ablation vs Catheter Ablation Alone on Atrial Fibrillation Recurrence Among Patients With Paroxysmal Atrial Fibrillation and Hypertension"を読んで頂きました。

PICOは、下記のRCTです。
P:高血圧を合併した発作性心房細動患者
I :カテーテルアブレーション+腎denervation併用
C:カテーテルアブレーション併用
O:primary 12ヶ月時点での心房性頻拍再発率
 secondary 血圧、合併症 etc

結果は、腎denervation併用郡では、心房性頻拍再発率は低く、HR0.57 (95%信頼区間 0.38-0.85)でした。血圧は、単独群が平均で151mmHgから147mmHgに3mmHg低下したが、併用群では150mmHgから135mmHgに16mmHg低下し、両群の変化量の差は-13mmHgと優位に低下した。また、合併症率は両群で変わリませんでした。
2014年NEJMの治療抵抗性高血圧に対する腎denervationはいい結果がでませんでしたが、心房細動合併の高血圧は交感神経が関与しているかもしれません。ただアブレーションの再発率が高いことは気になりました。日本では30%未満ですが、この結果では40%を超えていました。
とても勉強になりました。宮国先生、ありがとうございました。

2019年度はたくさんの初期研修医、後期研修医の先生にローテートして頂きました。2020年度は新しいメンバーも加わりましたのでまたよろしくお願いします。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理