抄読会

今日は、2、3月当科をローテートして下さっている総合内科の宮崎先生にJASNの "A Randomized Trial of Distal Diuretics versus Dietary Sodium Restriction for Hypertension in Chronic Kidney Disease" を読んで頂きました。

P:18歳以上のCKDG3-4(eGFR15-59)の高血圧患者
除外:サイアザイド系アレルギー、妊娠、その他の疾患合併(ネフローゼ症候群、肝硬変、NYHA3-4の心不全)、電解質異常、RRT予定)
I :amiloride5mg+ヒドロクロロチアジド50mg投与
C:塩分制限
O:降圧効果、腎機能、体液バランス

患者特性は、平均年齢61歳、男性64%、平均eGFR39、平均BMI28、尿中Na 135mmol/dayでした。
結果は、サイアザイド系利尿薬+アルドステロン拮抗薬の組み合わせは、塩分制限と比較して
降圧効果、体液減少で非劣勢でありました。副作用は、低Na血症 利尿剤郡 15 % vs 塩分制限郡 0 %、高尿酸血症 85 % vs 65 %でした。
日本ではamilorideはなく、またオランダの研究であるため塩分感受性の問題はありますが、CKDG3bでもヒドロクロロチアジドを使用したくなる研究でした。
とても勉強になりました。宮崎先生、ありがとうございました。

A Randomized Trial of Distal Diuretics versus Dietary Sodium Restriction for Hypertension in Chronic Kidney Disease

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このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理