抄読会

本日の抄読会は、下記で、Sethiらが報告した膜性腎症の新規抗原NELL-1関連膜性腎症の論文です。
PLA2R、THSD7Aに続く、新規抗原です。NELL-1(Neural epidermal growth factor-like1)は、頭蓋骨縫合早期癒合症の骨癒合部位に高発現する遺伝子として単離されたタンパクで、過剰発現マウスは頭蓋骨癒合症を起こすことが知られております。
糸球体をleser microdisecsionで、質量分析にかけ、NELL-1を同定し、蛍光抗体法でも酵素抗体法でも陽性を確認し、血清中でも抗体を検出しました。
頻度は、mayoでは、23.9%とTHSD7Aより頻度が高かったです。形態学的特徴は、IgG4でなく、IgG1優位であること以外は、二次性膜性腎症の特徴はなかったです。
臨床的には、5/34例で悪性腫瘍を合併しておりました。膜性腎症の治療を考える上で非常に重要な報告だと考えます。

Neural epidermal growth factor-like 1 protein (NELL-1) associated membranous nephropathy

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理