抄読会

今月は循環器内科専攻医の中田先生にローテートして頂いております。
ここ1-2ヶ月は難治性浮腫の患者様が多く、アセタゾラミドを追加してうまくいっていることが多いです。循環器内科でも利尿剤を使用することは多いため、抄読会で下記論文を読んで頂きました。
CQ:難治性浮腫に対して、アセタゾラミドは効果があるか?
背景として、動物実験で、

  1. アセタゾラミドがペンドリンの発現低下することにより利尿効果upすること
  2. ペンドリン阻害後にフロセミド投与するとフロセミド利尿up

することが知られております。
まだヒトではどうなるかはわかっておりません。

P 対象患者:ネフローゼレベルの蛋白尿があり、フロセミド80mg量使用するも難治性浮腫である、CCr>60mL/minの18歳以上の20人
I アセタゾラミド+ヒドロクロロチアジド使用後にフロセミド使用した群
C フロセミド+ヒドロクロロチアジド使用後に
フロセミド使用した群
O 各フェーズ前後の絶対体重変化


結果として、アセタゾラミド群のほうが有意に体重減少を認めました。
本研究のlimitationとして、サンプルサイズが少ないことと、血清の重炭酸とCl測定不足があり、ベースの酸塩基平衡はわかりません。ただ難治性浮腫の方はアルカローシスのことが多く、アルカローシスの方には試してみる価値はあると思います。
実際に使用して、短期的にアシドーシスが動くこともあり、入院セッティングのほうが安心だと思います。当方は外来で処方する時は1週間以内に来て頂いております。
非常に勉強になりました。ありがとうございました。

Acetazolamide and Hydrochlorothiazide Followed by Furosemide Versus Furosemide and Hydrochlorothiazide Followed by Furosemide for the Treatment of Adults With Nephrotic Edema: A Randomized Trial

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理