抄読会

8月は、家庭医診療科の山田真子先生にローテートして頂きました。
下記論文を抄読会で読んで頂き、コメントを頂きました。1ヶ月間透析を中心に、たくさん助けて頂きました。山田先生ありがとうございました。

8月にローテートさせていただきました家庭医診療科の専攻医1年の山田真子です。
今回の抄読会では、2021年8月にアメリカ腎臓学会で発表された「Serum biobarkers of iron stores are associated with Increased Risk of All-Cause Mortality and Cardiovascular Events in Nondialysis CKD Patients, with or without Anemia」を読ませていただきました。
5145人の多国籍の非透析患者において、TSAT(トランスフェリン飽和度)<15%とTSAT25-35%と比較した時の死亡率と心血管イベントについて調べたコホート研究になります。
最終的な結果は、TSAT25-35%に比較し、TSAT<15%のハザード比が死亡率では1.59、心血管イベントでは1.96となりました。ヘモグロビン値に関わらず、低いTSATレベルは死亡率や心血管イベントとの関連があることが分かりました。一方で、この研究がコホート研究であることや鉄の測定方法や頻度が統一されていなかったことが弱点であり、抄読会でもハザード比がそこまで高くないといったご指摘をいただき、RCTを含めたさらなる研究が必要であると学びました。
1ヶ月間腎臓内科で研修させていただき、有難うございました。教えていただいたことを糧に今後の研修に活かせるように精進してまいります。有難うございました。

Serum Biomarkers of Iron Stores Are Associated with Increased Risk of All-Cause Mortality and Cardiovascular Events in Nondialysis CKD Patients, with or without Anemia

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理