ブリューゲル「バベルの塔」

エントリー項目

施設管理/運営、業務改善

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○心房粗細動による心不全の症例。
研修先A病院、内科病棟で担当した。
後天性の聾があり、手話などができず、疎通がかなり困難。
主訴もわからず、バイタル測定したらショックバイタル、そこからの急変対応が大変だった。

内科の予約外外来でも救急対応が必要な状態があるということを経験した。予約の枠以外にオープンで来た人は、看護師の判断で、間に挟み込まれている。

指導医との間では、救急対応が必要な症例の対応が遅くならないようにするには、看護師のトリアージが必要なのでは、という結論になった。

内科外来の看護師と協働するために、情報収集することとした。
以前研修していたB病院の看護部に、トリアージシステムをどうやって運用しているか情報を得た。
研修先A病院の内科病棟で、看護師を対象にアンケートをとって現状評価したことに加え、B病院でのトリアージシステムを共有した。

アンケートをとった結果は、もとの想定だった"知識不足"は認めず、うまくいかない構造を改善する必要があることが浮き彫りになった。

PDCAサイクルを回すために、研修期間で見通しのたつ項目に着手した結果、トリアージシートを作ることにした。

看護師から、知識面が確認できる項目をシートに盛り込んで欲しいという以外に、医師に伝達するのに記載があったほうがありがたいという意見もあった。

上記業務改善を踏まえて、自施設Cクリニックでもトリアージシステムの導入を検討中。
可能なら、1、3、5ヶ月後など、その後の経過を再評価するとよい。

業務改善は、ただテクニカルな業務改善ではない。
組織変革は、組織風土の変革と切り離せないというのがポイント。

今日の学び:

バベルの塔 同じ言語を話している人間が、神様に届くような神様が到達するような塔を作ろうとしたが、人間が高慢になっていることを神様が怒って、違う言語を話すようにした。
言語の違いをいとおしみながら、業務改善に繋げられたらと願う。
また、同じ言語を話していると思っている医師同士のほうが難しいという意味もある。

参考文献
コッター:企業変革の8つのステップ
クルトレビン:3段階の変革プロセス
The IHI Triple Aim

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学