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家族志向のケア


専攻医3年目斉藤先生のポートフォリオ発表でした。症例は幼少期に父から暴力を受けた母子が祖父母と同居中するようになり、中学2年生の頃から特に誘引なく不登校となっていました。

体位性頻脈症候群の診断・治療を行いつつも、母や祖父から登校を促す圧力が強くなっていることから、本人の不登校や引きこもり傾向は家族要因の影響が強いことを見出しました。家族図やループ図を描いて評価を行い、家族システムに対立関係が複数あることに気がつき介入を行いました。

祖父母と話をする機会を設け、祖父に役割を与えつつ介入し、また本人・母が祖父母と別居をすることで物理的距離を取ることができ、家族機能を取り戻すことができました。最終的には高校受験合格の目標を達成することができ、高校入学後は時々学校を休む程度で通学できているそうです。

この症例を通して、患者の診療だけでなくファミリー・ツリーも見えやすくなったという自身の成長ポイントを得ることもできました。母の原家族の評価や、ループ図の工夫などが議論やアドバイスとして上がりました。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学