星月夜

エントリー項目

終末期のケア

Key word

緩和ケア、スピリチュアルケア、意思決定支援、Bad news telling、村田理論、健康生成論

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◯今回は病棟の内科研修をしている際に経験した症例を取り上げました。終末期の方との関わりについて改めて学んだことや、本人の状態や家族の希望を考慮して、担当医交代をあえて伝えず研修終了したことについて意見を交わしました。

ある癌の方が入院された際に「みんなはいいよな、治って帰るもんな」と仰いました。それをきっかけに、カルテのプロブレムリストに"end of life communication"を挙げることにしたのです。回診の際に本人の一番幸せだった時の話を聴き、ライフレビューを行うことで関係性や自律性の強化につなげることができました。また、他職種ともこまめに連携し、労うことも意識して行いました。しかし、自身が患者さんとの関係性を強く持っていたために、研修修了の際に挨拶ができずに別れたことに対し、大きな葛藤を感じました。

ディスカッションでは、スピリチュアルケアがうまくできていたことを、村田理論などをもとに確認しました。一方で、ケアを行う自分自身がいなくなった時にも同様のケアを提供し続けられるようなシステム・チーム作りが今後の課題として挙げられました。その他に、ライフレビューについての考察の切り口としてアントノフスキーの首尾一貫感覚の概念についての紹介がありました。

写真は、発表者が緩和ケア科をローテーションした際に感じたことを絵にしたものです。それぞれの家庭医が「その人らしさ」を発揮できる当院のポートフォリオ発表会って、やっぱり素晴らしい!と感じた発表でした。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学