複雑な行動変容 〜食事指導の行動変容〜

エントリー項目

行動変容

Key word

transtheoretical model、重要度自信度モデル、松本のフレーズ、食事療法

◯今日のポートフォリオ勉強会は、禁煙外来成功した後に禁煙のストレスで体重増加が問題になっていた症例について禁煙指導と食事指導の介入を行うという発表でした。発表者は有名なtranstheoretical model (TTM)や重要度自信度modelによるアプローチにとどまらず、TTMを含めた7つの健康理論をエッセンスに抽出して並べる、「松本のフレーズ」を用いて介入点を明らかにしていく手法を試みたようです。話題は肥満症にまつわるエビデンスや具体的な食事療法にも及び、幅広く学べたポートフォリオの会となりました。

禁煙外来成功後の減量指導という難しいシチュエーションでの行動変容ですが、「松本のフレーズ」を用いたことにより介入項目が可視化され、優先度が付けられるようになったとの感想がありました。一方で本人の健康観にアプローチすれば、より深い行動変容に繋げられるのではないかとの意見がでました。

本日はアラスカで家庭医をされている先生や家庭医療に興味を持った学生さんも参加していただき、多方面から活発な発言が飛び交い、同じテーマでも新たな発見や学びが得られた会となりました。

参考文献:
松本千明(2002)『健康行動理論の基礎』医歯薬出版株式会社.
松本千明(2002)『健康行動理論の実践』医歯薬出版株式会社.
足立香代子(2010)『検査値に基づいた栄養指導』チーム医療.
日本肥満学会(2016)『肥満症診療ガイドライン2016』ライフサイエンス出版.
岡田正彦(2006)『人はなぜ太るのか』岩波新書.
「行動科学で学ぶメディカルインタビュー」〈http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02886_07〉(2010/7/5最終アクセス)
「Up To Date Obesity in adults: Overview of management」〈https://www.uptodate.com/contents/obesity-in-adults-overview-of-management?source=search_result&search=肥満&selectedTitle=2%7E150〉(2016/8/24最終アクセス)

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学