苦難は希望を

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医療者自身のケア

キーワード

妊娠、出産、チームのウェルビーイング、心理的安全性、属人化、脱属人化、ダイバシティマネジメント

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本日のPFはSr3の栗原先生でした。自身の妊娠から出産に至るまでの経験を振り返り、医療者自身のケアにつき内省しました。
家庭医の研修中の妊娠・出産であり、身体面・メンタル面の大変さを抱えつつ過ごしました。他科ローテーションもあるため、例えば外科手術の助手に入る中で調子を崩し手術室を離れたり、どうしても起き上がれなくて一日休んでしまった日もありました。産婦人科研修中に自身のお腹をさすっていたら看護師さんに椅子を差し出されたり、産休前の外来でむしろ患者さんにねぎらわれたりする一方で、お腹が大きくなり苦しいのを我慢しながら診察をした日もありました。

幸い、世にいう「マタハラ」のようなものは感じず、むしろ妊娠初期から相談しやすい環境があったり、産後に院外ローテをしなくてすむようにスケジュールを調整してもらえた一方で、自分の中にある「なんとかなる!」という気持ちや「妊娠前と同じように、もっと働きたい」という思いがもろもろの困難さの一番の障壁だったかもしれないと内省しました。

考察・議論としては、ママ・パパ専攻医を支援する個別の方策に加え、チームのウェルビーイング評価や、心理的安全性、院外ローテをしている専攻医が相談しやすいシステムが担保されているかといった組織づくりに焦点をあてた議論が展開されました。仕事にやりがいを感じ自己効力感を持って働きつつも、体調が悪いときには無理せず同僚にバトンタッチができる働き方/属人化のバランスは難しいですが大事な視点でした。さらに、医師としてのwellnessが他の職種の方々に比してどのような点で脅かされているかを議論できるとより良質なPFになりますし、ひいては現場の業務改善にも繋がるでしょう。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学