那古小学校性教育「いろいろな性ってなんだろう?」

2020年2月に那古小学校6年生を対象に性教育を行いました。
今回は養護の先生からご依頼をいただき、「いろいろな性ってなんだろう?」というテーマで、ジェンダー・LGBT(性的マイノリティ)について学ぶワークを行いました。
ジェンダーについては「男らしい」「女らしい」ってなんだろう?というテーマで、様々なアイテムのイラストを準備しました。ピンクの筆箱、黒いランドセル、裁縫道具、包丁とまな板、化粧道具、バットと野球ボール。こうしたものを「男」のものと思うか、「女」のものと思うかをグループで考えてもらいました。
男、女の間に置かれたものが多く、理由について聞いていくと「ピンクが好きな男の子もいるよね」「うちはお父さんは料理が得意だよ」「化粧も最近芸能人とか男でも化粧するのは当たり前だよね」「野球は男の子も女の子もやってる」などなど、、様々な意見を聞くことができました。私たちは社会が決めた性のイメージや役割にとらわれてしまうことが多いですが、"あなた"は何が好きかが一番大切であること、そうした思い込みを人に押し付けてはいけないことを伝えました。
LGBTについては認定NPO法人のRebitが製作しているLGBTについて小学生が学ぶためのキットを活用し、当事者の声を伝えました。その中で多様な性のあり方があること、「オカマ」「オネエ」といった言葉が人を傷つけることがあること、人の性のあり方は人それぞれであることを伝えました。

学校でもいろいろな性について学ぶ時間は初めてだったようで、先生も生徒もとても興味を持って参加してくれたと感じました。
また、生徒がそれぞれメディアやSNSなどを通して多様性を身近に感じながら育っていること、そしてとても柔軟な考え方ができることにとても驚き、感動しました。
子供たちが自分や他者を思いやり、違いを大切に成長していくことはこころや体の健康に欠かせないことであり、こうした形で健康に関わることができることも家庭医としての大切な役割と改めて実感しました。
これからも地域での健康に関わる活動として、性教育を続けていきたいと思います。

参考:認定NPO Rebit(小学校高学年向けの教材が公開されています)
https://rebitlgbt.org/project/kyozai/shougakko

(文責:家庭医診療科 フェロー 坂井雄貴)

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このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学