日本思春期学会学術大会 参加報告

2019年8月23-25日に東京で開催された日本思春期学会総会・学術大会に参加しました。

私は「家庭医による複数の中学校を対象とした包括的性教育の取り組み」という題で、ポスター発表を行いました。
思春期児童の中に「スカートを嫌がる女の子がいる」「教室にいけなくなっている人がいる」といったような、性の多様性にまつわる地域の課題がある中で、教育現場でもどう対応していいかわからないことが多い実態がありました。そこで、地域の複数の中学校を対象に、国際セクシュアリティ教育ガイダンスを参考に目標設定を行い、性の多様性を含めた性教育を提供した中での学びを発表しました。 そこで、性教育は継続的に行っていく必要があること、学校・家庭・地域の連携を意識して児童を支援することが重要であるというメッセージを伝えさせていただきました。

総会ではLGBTや望まない妊娠と避妊、ジェンダー、SNSとメディアリテラシーなど様々なテーマがあり、とても勉強になりました。また、日本全国で思春期の支援に関わる多職種の方とも意見交換ができました。
性教育分野では産婦人科や泌尿器科などの領域別専門医の先生の活躍が多いですが、地域や家庭のニーズを把握して連携を担うコーディネーターとして、家庭医が担える役割はとても大きいと実感しています。より多くの家庭医に、地域での性教育が広がっていけばと感じています。
これからも家庭医としての強みを生かしながら、包括的性教育を実践していきたいと思います。

(文責:家庭医診療科フェロー 坂井雄貴)

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このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学