終わりと始まり

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終末期

Key word

終末期 「死ぬ瞬間」 予後予測 全人的苦痛(total pain)

○胃癌ターミナルの方で当院にて在宅導入し看取った症例です。
予後週単位と考えられましたが当初本人の病状に対する否認があり、
同居の家族の介護力が弱く、遠方の家族に援助を求めることになりました。
経過の中で患者さんの病状に対する向き合い方が変わっている様子がありました。

キューブラー・ロスの『死の瞬間』などを参考にしながら患者さんの受容の様子を分析し、
その変化をもたらした要因として、
家族や医療・福祉が積極的に関わることによって
全人的苦痛が癒されたのではないかということがあげられました。
また、他職種が関わることや情報を集めることの重要性にも触れられました。

ディスカッションでは:
『死の瞬間』の受容の段階の議論、家族の本人への関わりの様子などの質問がありました。
アルフォンス・デーケンの悲嘆のプロセス、
アラン・D・ウォルフェルトのグリーフケア、
パソグラフィ(病跡学)、
スピリチュアルペインについて『ホスピタリスト』の緩和ケア特集のスピリチュアルペインの項の紹介がありました。
在宅診療の主治医制、妻とのそれまでの関係性の変化などにも言及されました。

引用文献:
キュブラー・ロスの「死ぬ瞬間」、
臨床哲学「終末期がん患者への緩和ケアにおける「安楽」について」

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学