ジャーナルクラブ

当院では今年度からジャーナルクラブを開催することとなりました。
参加者は講師の非常勤医師伊藤先生と医局員です。
伊藤先生はオアシス愛生クリニックの院長をされており、月2回外来指導に来られています。

ジャーナルクラブの目的は「オリジナルリサーチ論文を読もう」というものです。英語論文の批判的吟味に慣れることは第一目標ですが、究極的な目標は英語でのオリジナルの論文発表です!

今回は、いかにして論文を読んで行くか、どう運営していくか、伊藤先生と医局員で話し合いました。
伊藤先生からは、文献の批判的吟味、PICOから発展して、DynamedやUptodateなどの質の高い二次資料がどのようにして生まれたかについて解説して頂き、またアメリカでのプリセプティング、ジャーナルクラブの運営について紹介していただきました。
ディスカッションではabstractだけでなくdiscussionを読むことの意義などが挙がり、二次資料ばかりではなく元資料を読むことの重要性が浮き彫りとなりました。

今回は心筋梗塞後の抗不整脈薬使用につい扱ったCAST studyを例に説明していただきました。
このstudyは心筋梗塞後の不整脈は抑えたほうが良いという仮説を元に実際に抗不整脈薬とプラセボ群で比較したところ、実は抗不整脈薬の方が死亡の割合が高かったという結果になったという内容です。

当時はプラセボ群を使用することがあまりなかったことや、著者も当初はプラセボが勝るとは考えていなかったことなど、歴史的な背景について雑談を交えて説明して下さり、非常に興味深い内容でした。改めてDOE(Disease Oriented Evidence)とPOEM(Patient Oriented Evidence that Matters)を意識する良い機会となりました。

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このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学