在宅X緩和レクチャー 〜嘔気の症状緩和〜
前回好評だった「在宅X緩和ケアレクチャー」の2回目です。
ちなみに、「在宅x緩和ケア」シリーズとは、在宅医と緩和ケアチーム(PCT)スタッフが、毎回異なるテーマに関して、事前資料やスライドをほとんど使わずに、リアルタイムでディスカッションを進めていく"即興"形式の勉強会です。
エビデンスやガイドラインをどのように臨床に実装していくのかに関して、緩和ケアコンサルテーションチームの日々のプラクティスと、在宅セッティングでのあるあるな課題を突き合わせて、現状でのベストプラクティスを探る、あじわい深い学びの時間になっています。
今回は「嘔気の症状緩和」というテーマのもと、疼痛緩和ケア科蔵本浩一Drに進行役を担当いただき、以下のようなディスカッションの流れになっていきました。
- 抗ヒスタミン、ドパミン、消化管蠕動薬の使い方
- アカシジアの実際の症状(動画供覧)
- 苦しくない、経鼻胃管の挿入法(動画供覧)
- 便秘対策としてのスインプロイクの実際
- 悪性消化管閉塞への対応(PPI、ステロイド、オクトレオチドなど)
- モルヒネの予防的制吐薬の使用について
- 新薬のアナモレリン塩酸塩の見解
などがディスカッションポイントでした。
フェローからのコメントとしては、
「実際にアカシジアをみたことがなかったので、副作用評価で座位での落ち着きのなさや手足のソワソワなど注目して診療するようにしたい」
「腫瘍の化学療法の分野ではエビデンスが出ていても、緩和領域でのエビデンスが少ない薬剤などもあるなど、臨床応用において注意して使用したい」
「オランザピンがグループフルーツ味というのは知らなかった!」
「食欲不振に関しての新薬が出ているのは驚いた。ただ在宅セッティングでの使用はまだ慎重なのかなとも感じた」
詳しい内容を知りたい方、いちど "即興" 形式のグルーヴ感を体験してみたい方は、状況が許せば、是非是非いらしてください♪
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このサイトの監修者
亀田総合病院
在宅診療科 部長 大川 薫
【専門分野】
家庭医療学 在宅医療